還暦過ぎコピーライターの怪顧録。

今日まで、見たこと、聞いたこと、感じたこと。

このコロナ禍で、コピーライターとして感じたこと。

f:id:ymo1959:20201122151023j:plain

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

日本で最初の新型コロナウィルスの感染者が報告されたのは2020年1月16日(厚生労働省発表)です。それから10ヵ月以上が経ちました。

その間、緊急事態宣言が出され、多くの方が不要不急の外出を控え、人が集まるイベントは軒並み自粛や中止。公共交通機関の利用者が激減し、街は閑散としていました。

そして宣言が解除され、10月から東京もGoToトラベルの対象になると、公共交通機関の利用者はコロナ前の70~80%に戻り、この3連休も都内の繁華街や観光地は結構人出があったようです。

私も2度GoToトラベルを利用しましたが、宿泊先や飲食店、またタクシーの運転手さんに聞くと、東京が対象地域になった10月を境に観光客が激増。改めて東京のチカラを想い知ったそうです。

■第1波も、2波も、3波も煽り続けるマスコミ。

ところが、11月中頃から感染者が増え出すと、「第3波だ!」「GoToトラベルの対象地域をの見直しだ!」「GoToイートの人数制限だ!」と国や地方の首長が慌て出し、案の定、マスコミが煽りはじめています。

本当に“GoTo”が原因なのでしょうか?11月1日から入国制限措置を条件付きで一部緩和したのが原因ではないかと思っているのですがね。だって、ちょうど2週間後から感染者が増えているでしょ。

まっ、テレビのワイドショーなどは視聴率さえ上がれば良い訳ですからね。出演のたびにコロナウイルスの不安を煽って、気がつくと化粧や衣装が派手になり、芸能プロダクションと契約した大学の先生までいらっしゃいます。

いずれにしろ、これまでのコロナ騒動は“マスコミ”が煽り、明らかに先導しものです。結果として経済活動が停滞し、その罰(ばち)が当たって、テレビも、新聞も、スポンサーが離れ、取り扱い広告費も一段と落としています。まさに自業自得。そのうちN○Kにも罰が当たるでしょう。

■三密、ソーシャルディスタンス、ニューノーマルに、五つの小?

さて、このコロナ禍で、『三密』、『ソーシャルディスタンス』、『ニューノーマル』、おまけに『五つの小』…など、色々な言葉が生み出されました。最後の『五つの小』は、もう“フリップ芸”の域です。おそらく本家本元の『新型コロナウイルス』か『三密』あたりが、今年の“流行語大賞”の本命なのでしょう。

私は数年前から、スポーツと一部のドラマを除いて、テレビをほとんど見ていません。もっぱら情報はYouTubeなどのネット番組から得ています。理由はテレビが面白くなくなったのに加え、ニュースも信頼できないからです。

そんな私がこのコロナ禍でYouTubeを見ていて感じたのは、「ナショナルクライアントの広告が増えたこと。」、「名の知れたタレントを起用した広告が多くなったこと。」、「テレビCMの流用(併用)がちょくちょく見受けられること。」などがあります。中でも強く感じたのは「ダイレクトすぎる表現の広告がやたらと多いこと。」です。

YouTube広告はターゲットが絞り込めるので、ダイレクトな表現やストレートなメッセージを発信することで、効果があるのは理解しています。しかしながら、表現が余りにも“どストレート”すぎて、品がないというか…。

例えば、ネットやオンライン会議を使った集客の広告で、「×週間で売上が××%上がる」「月××万円稼げる」などのコピー表現は、私の目には“出来の悪い三行広告”にしか見えません。というより、若い人は知らないと思いますが、むかし電話ボックスや公衆トイレに貼られていたヤバい広告と同じ臭いを感じてしまいます。

■広告の『ソーシャルディスタンス』は大丈夫?

繰り返しになりますが、ダイレクトレスポンス広告だから、ストレートなメッセージが効くというのはわかります。しかし、レスポンスさえ良ければ、それで良いのでしょうか?

同じターゲット層でも、ただ煽られているような広告コピーに、不快感や不信感を抱いてしまう人もいるはずです。それはコロナ禍で不安を煽り続けてきたマスコミと何ら変わりがありません。

ストレートにベネフィットや価格を訴求をするにしても、ニーズを訴求するにしても、広告のコピーは、そのターゲットとの距離感、いわゆる“ソーシャルディスタンス”が大切だと思います。

何故なら、距離が遠すぎると伝わりませんし、近すぎるとウザがられてしまう。付かず離れずのほど良い距離感を見つけ出してアプローチすることで、広告に対する信頼感も生まれるのです。はい。

■イメージコピーとセールスコピー?

ネット広告が盛んになってから、広告コピーには“イメージコピー”と“セールスコピー”の2種類あるといわれているそうですが、ニュースリリース、DM、SPツール、そして各種のマスメディア広告まで、ブランド単位で担当してきたコピーライターとしては違和感を覚えます。

ダイレクトレスポンスを求めるのがセールスライターであるとしても、もう少しコピーの切り口やアプローチの仕方に工夫があっても良いと思いますよ。またコピーの組み立てがパターン化しているのも気になります。

自分が書いたコピーをターゲットに信頼してもらい、アクションを起こさせる。そのためにコピー表現を練る。それがコピーライターとしての矜持だと思うのですが、考え方が古いのでしょうかね。

このコロナ禍で、少なからず影響を受けている、還暦過ぎコピーライターの戯言でした。